トランギアのアルコールバーナーと、以下の3種類の五徳を組み合わせて火力と燃費を検証しました。
1.ヘキサゴンウッドストーブ
2.EBY253
3.EBY258
検証結果をかんたんにまとめると、以下のとおり。
火力:EBY258≧ヘキサゴンウッドストーブ>EBY253
燃費:EBY253>EBY258>ヘキサゴンウッドストーブ
個人的にヘキサゴンウッドストーブが本命だったんですが、火力と燃費はパッとしない性能だったのがちょっと残念。
楽しい道具だから、今後も使い続けますがね。
今回の検証結果を踏まえて各五徳の特徴をまとめると、
・ロマン型・・・ヘキサゴンウッドストーブ
・燃費型・・・EBY253
・バランス型・・・EBY258
といった感じです。
では検証結果を詳しく見ていきましょう。
検証1:500mlの湯を沸かす
アルコールバーナーと各五徳を組み合わせ、500ml湯沸かしで火力と燃費を検証します。
500mlは、だいたい袋ラーメンを作るのに必要な水量です。
火力と燃費の判断基準は以下のとおり。
・火力・・・沸騰開始時間で判断。早く沸騰したほうが火力が強い
・燃費・・・アルコール消費量で判断。消費量が少ないほうが燃費がいい
検証条件を整えるため、すべて室内で行います。
またEBY253とEBY258は、実際の使用環境に近づけるため、風防をセットして検証します。
煙突効果で火力と燃費が変わる可能性があるので。
使用する燃料用アルコールは、トーヤク アルコK2です。
検証方法
1.アルコールを100ml入れて着火
2.火が安定したら500mlの水が入ったトレック900を載せる
3.沸騰(95℃)した時間を記録し、すみやかに消火
4.アルコール消費量を計測
5.アルコールバーナーとクッカーを30分冷まし、次の五徳の検証へ(1〜5を繰り返す)
アルコール消費量の計測方法は、アルコールが残ったままのアルコールバーナーを測りに載せて計測。
「100mlのアルコールが入ったアルコールバーナーの重量−アルコール残量とアルコールバーナー=アルコール消費量」
測りでは単位が「g−グラム」なので、「ml−ミリリットル」で計算し直します。
※アルコールは「1g=1.333ml」で計算
検証結果
検証結果を以下の表にまとめました。
ヘキサゴン | EBY253 | EBY258 | |
沸騰 | 10分10秒 | 15分39秒 | 10分2秒 |
消費 | 40ml=30g | 27ml=20g | 32ml=24g |
気温 | 17.3℃ | 18℃ | 17.8℃ |
水温 | 11.6℃ | 12.9℃ | 12.3℃ |
◎火力:EBY258≧ヘキサゴンウッドストーブ>EBY253
◎燃費:EBY253>EBY258>ヘキサゴンウッドストーブ
ヘキサゴンウッドストーブとEBY258の沸騰開始時間は、誤差の範囲かなあと思うので、火力の差はほぼないです。
スタート時の水温も、ヘキサゴンウッドストーブのほうが低いですし。
しかし燃費に差が出ましたね、500mlの湯を10回沸かせば80ml(=60g)もの差が生まれることに。
いっぽうでEBY253は火力が弱いですが、そのぶん燃費がかなりいいです。
燃費の悪いヘキサゴンウッドストーブと比べると、13ml(=10g)の差があります。
500mlを10回沸かすと、130ml(=100g)が生まれます。
検証2:200mlを沸騰させた結果…
検証1と同じ要領で、今度は200mlを沸騰させてみました。
200mlは、だいたいコーヒー1杯分ぐらいの水量ですね。
ヘキサゴン | EBY253 | EBY258 | |
沸騰 | 5分16秒 | 7分55秒 | 5分15秒 |
消費 | 23ml=17g | 17ml=13g | 20ml=15g |
気温 | 18℃ | 18.3℃ | 18.3℃ |
水温 | 12.3℃ | 12,8℃ | 12.7℃ |
◎火力:EBY258≧ヘキサゴンウッドストーブ>EBY253
◎燃費:EBY253>EBY258>ヘキサゴンウッドストーブ
結果は検証1と変わりありませんね。
火力と燃費の面だけから考えると、ヘキサゴンウッドストーブを五徳に使う意味はなさそうです。
ヘキサゴンウッドストーブの使い道
今回の検証で、ヘキサゴンウッドストーブをアルコールバーナーの五徳に使う意味はなさそうに思えます。
しかし状況によっては、荷物の軽量&コンパクト化につながるんじゃないかと。
仮に、現地で薪を調達しヘキサゴンウッドストーブをキャンプ料理のメインバーナーに使用、薪を調達できなかったときの保険にアルコールバーナーを使うとしたらどうでしょうか。
薪を調達できればアルコールバーナーの出番はなし、薪を調達できなければ五徳と風防としてヘキサゴンウッドストーブを再利用するスタイル。
ヘキサゴンウッドストーブ以外の五徳と風防がいらないので、荷物の軽量&コンパクト化につながります。
その逆もあり。
アルコール燃料を切らしたとき、ヘキサゴンウッドストーブで小枝を燃やせば火を確保できます。
夕食は手のかかる焚き火で、朝食は音が静かなアルコールバーナーで…といった使い分けも素敵なんじゃないかと思いますよ。
関連記事>>>「ヘキサゴンウッドストーブ×アルコールバーナー」5つのメリット・デメリット!燃費は最悪だがサブとしてなら使いやすい
結局ロマンなんだよ、理屈じゃねえんだ…
荷物少なめで焚き火を中心に料理をするスタイルの方であれば、ヘキサゴンウッドストーブ五徳にもメリットを見いだせるかも。
まあ、ヘキサゴンウッドストーブとアルコールバーナーの組み合わせに、火力とか燃費とかどうでもいいんじゃないですかね。
本来ウッドストーブである道具をアルコールバーナーの五徳にして使うアイデア、無骨なチタンと渋い真鍮の美しいの組み合わせ…理屈抜きに楽しむためにヘキサゴンウッドストーブはいい相棒かと思いますよ。
私は今後もヘキサゴンウッドストーブを五徳として使い続けるだろうなあ。
アルコールバーナー「火力&燃費」検証まとめ
◎火力:EBY258≧ヘキサゴンウッドストーブ>EBY253
◎燃費:EBY253>EBY258>ヘキサゴンウッドストーブ
各五徳の特性をまとめると、
・ロマン型・・・ヘキサゴンウッドストーブ
・燃費型・・・EBY253
・バランス型・・・EBY258
といった感じですかね。
最後に検証結果の表を貼っておきますね。
↓500mlの検証結果
ヘキサゴン | EBY253 | EBY258 | |
沸騰 | 10分10秒 | 15分39秒 | 10分2秒 |
消費 | 40ml=30g | 27ml=20g | 32ml=24g |
気温 | 17.3℃ | 18℃ | 17.8℃ |
水温 | 11.6℃ | 12.9℃ | 12.3℃ |
↓200mlの検証結果
ヘキサゴン | EBY253 | EBY258 | |
沸騰 | 5分16秒 | 7分55秒 | 5分15秒 |
消費 | 23ml=17g | 17ml=13g | 20ml=15g |
気温 | 18℃ | 18.3℃ | 18.3℃ |
水温 | 12.3℃ | 12,8℃ | 12.7℃ |
※アルコールは「1g=1.333ml」で計算
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